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2026.08.05Unbound Gravel

【イベントレポート】アンバウンドグラベル2026 参戦記『後編:200mile レース本番』

今年も当社のスタッフが、アメリカ・カンザス州エンポリアで開催されたグラベルレースの世界最高峰イベント「UNBOUND Gravel(アンバウンドグラベル)」に参戦しました。『後編:200mile レース本番』は、マーケティンググループ近藤のレポートをお届けします。

※【イベントレポート】アンバウンドグラベル2026 参戦記『前編:レース本番まで』

■挑戦を決意した理由

202510月頃、当社の社長から突然声がかかりました。

「次回のUNBOUND Gravelに参加してみないか?」

私は10年ほど前に大学のサイクリング部に所属しており、主にキャンプツーリングで4日かけて360km程走るなどの活動をしていました。当時の一日の最長距離は180km。ところが、ここ2年間ほど走り込むというモチベーションがあまり上がらず、、、月50km走るかどうかの状態。
【330kmで9割以上グラベル】というのは、返答が数秒止まってしまうくらい、完全に未知の世界でした。社内の過去参加者からの話から“サバイバルレース”のような雰囲気を感じていたため、「参加します!」と即答はできませんでした。

しかし「アメリカで開催される世界最大級のサイクリングイベントに参加できる! しかも井上(商品企画:前編担当)とタイヤ開発の仕事として参加……自転車好きにとってこれ以上ない夢のような体験ではないか? 願ってもまず実現しない経験ではないか!?」と感じ、参加を決意。
その月から300kmブルベに参加するなど、井上との超ロングライドの練習がはじまりました。。

■スタート前の不安

今年のUNBOUND Gravelは20周年記念イベントとして、例年よりも盛り上がりをみせていました。

次々と変化する路面状況と土質に対応しながら、猛暑・雷雨・強風に耐えつつ完走を目指します。エイドは3箇所(別で給水所が2箇所)、これ以外は店も自販機もまったくないため、補給食と水を切らさないよう大量に持って走ります。

レース当日の朝は5時起床。
深夜2~4時の間に雷で3度ほど目が覚めたため、起きてすぐ外に出て地面の水たまりと雲の量を確認しました。

暗くてよく見えないが水たまりは少ない。空には星が見えていたので、スタート時は何とか大丈夫だろうと安心しました。

▲写真左:今回記事を担当した近藤/右:井上

スタート前、「UNBOUND Gravel ではなにも(ハプニングが)起こらずに簡単に完走できるわけがない。今回は過去の難所を混ぜた南コースと北コースのハイブリッドコース。おまけに天候不良くらい発生するだろう」と腹をくくっていました。

「雨が降っていない+泥が無い箇所は休憩」と想定し、大雨の中どう走るかに集中していたところで、いよいよスタート。

■リタイアを考えた瞬間

アクシデントはすぐに訪れました。

第1エイド後の泥区間で落車し、左の脇腹を強打。痛みが治まらず、ハンドルも曲がってしまっため、リタイアすべきかどうか真剣に考えました。ちょうど第1エイド前、雹が混じった雷雨の中、泥のヒルクライムをクリアしたことで油断していたのかもしれません。
骨折ではないでしょうが、まだゴールまで250km近くあります。

「もう一度似たような所で落車する可能性は十分にあり、また同じ所をぶつけたら本当に危ないかもしれない。しかしこの時点で、MMR(ミニマム メンテナンス ロード)と雷雨を乗り越えていたので、どうしても完走で締めくくりたい」

「この難しいコースで、当日使った試験用GRAVELKING ZXに完走の実績を残したい!」という意地で、慎重に走行を継続しました。

■異常気象の中に見えた、圧倒的な光景

3040km地点は、虹曇り晴れ間二重の虹雷雨と目まぐるしい天候変化が発生。
経験したことのない天候というのはとにかく恐ろしく、回復を願うも雷雨が降りはじめました。大粒の雨と雹にひたすら耐え、滑らないよう地面ばかり見ながら数十分走り続けると、いつの間にか標高の高い開けた尾根に出ていました。
そこから見えたのは、どこまでも続く丘に、方角によって天候が異なる光景。スケールが大き過ぎて、苦しさすらどうでもよくなりました(笑)。

■とにかく無事に、完走を目指そう。

第2エイド(160km地点)を越えた後、残り2つのMMRと少しでも危険な箇所は無理せず歩くことにしました。

レースがあまりにも過酷になってきたので落車の危険性やバイクの泥詰まりから復旧する時間を考えると、無理せず歩くことで体力を回復させつつ、気持ちを落ち着かせることを優先と井上と考えが一致。ペースが予定よりも1時間ほど速かったこともあり、目標タイムに間に合わせるために無理をすることはないと判断しました。

この判断が正しかったのか誤りだったのかは、後ほどわかります。。。

■心の支えになったアメリカのサイクリストたち

22時頃、280km地点。

街灯が一切ない真っ暗なグラベルで、またも激しい雷雨に見舞われました。実に3度目の、最も激しい雷雨(泣)。
雨粒は痛いし、前は見えない。いまの状況を受け入れられないほど、心身ともにダメージを受けました。周囲の参加者も明らかに辛そうでしたが誰も文句を言わないどころかペースを落としません。パンクをすれば黙々と修理を行い、危険な箇所があると冷静に歩いてクリアする。誰ひとりとしてゴールする意思が弱まらない。『アメリカのライダーはドライ』な印象を持っていたのですが、日本人とはまた別の根性を見せられて、私も負けていられないとペースを維持する気力が湧いてきました。

■ゴール直後に最初に浮かんだ言葉

11月から練習して、どれだけ距離を走った日でもUNBOUND Gravel 330kmという目標が途方もなさ過ぎて、完走する自信がもてない。レース当日も悪天候や難所に阻まれ、ゴールがとてつもなく遠く感じていました。

早朝にスタートしてから19時間以上経過した深夜2時前。
ゴールラインを超えて立ち止まった時、正面にコースが無い、普通の街の風景が広がっているのを見て、
「ついにレースが終わった! すべて走り切った! 本当に完走できた」という気持ちで自然に両手が突き上がっていました。

そして最初に浮かんだ言葉が「やり切った」レースの思い出と同時に、この半年間で練習してきたことも浮かんできて、やっと区切りがついた感覚が生まれ、肩の荷がおりました。
なにより「気に入っていた試験用GRAVELKING ZXをノーパンクで完走させることができた!」という“大きな達成感”がありました。

■この挑戦から感じたこと

大会を通して多彩なタイプのサイクリストに出会いました。
皆さんスタイルとレベルは違えど、UNBOUND Gravelを完走しようとする強い想いは同じ。改めてサイクリングの懐の深さ、奥深さを感じました。

日本でも、まだまだ多くの人が楽しめるポテンシャルを秘めていると思います。今後、マーケティングの仕事を通して、Unbound Gravelで感じたサイクリングの魅力を私なりに表現し、新たなサイクリストに火をつけていけたらと思います。

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