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2022.05.13AGILEST

AGILEST VOICE パナレーサー開発スタッフ#01

乗れば、分かる。
パナレーサー開発担当#01 マーケティンググループ 高橋 諭


 

 

Q.まず最初に高橋さんの主な業務内容を教えてください。

国内営業に加え、商品企画も担当しています。営業としては新商品を得意先様に紹介したり、日々の販売管理といった業務です。
商品企画としては、どんなタイヤをどんなユーザーに向けて開発していくかといった戦略を練ったり、どんなタイミングで出していくのかというスケジュール立案だったり、そういった仕事もしています。

 

Q.「AGILEST<アジリスト>」開発のきっかけは?

当社のレーシングタイヤとしては10年ほど前に発売した「RACE<レース>」シリーズがありまして、4作目となるEVO4までマイナーチェンジを続けてきました。
ここで今のロードバイクに乗っている方々が求める性能に合致しているのかを見直そうというきっかけがありました。もう一度レーシングタイヤを一から作り直すと言いますか、創造し直すというところをスタートにして、今の方々に合うタイヤを作りたいという思いで企画をスタートしました。

 

Q.RACEシリーズを改めるということは結構大きな決断でしたか?

当然ファンもいらっしゃいますし、このタイヤをもう一度創り直すということに関しては、やはり勇気のいる決断でした。
それがもちろん成功すればいいんですけれども、新しいファンを獲得できる反面、今までのファンを失う可能性もあることを懸念しました。

 

Q.「今の方々に合うタイヤを作りたい」とのことですが、その中で具体的にどういうニーズを想定されましたか?

そうですね、ロードバイクに乗られている方って、耐パンク性能が高いとか、グリップ力が高いというのは当然求められるんですが、どのメーカーさんもそういった性能はあるレベルを保持されているんです。
αとしては、より転がり抵抗値が低くてスピードの出やすいタイヤというのを皆さん求められているということがわかりました。まずはこの注目されている転がり抵抗値の改善を図ろうということが、新しいポイントのひとつです。

 

Q.それを含めて開発のコンセプトをわかりやすく伝えていくとすると?

そうですね、弊社がもともと持っているパンク性能の高さとか、グリップ力の高さはそのまま維持した上で、今のロードバイクに乗っていらっしゃる方が注目されている転がり抵抗値をどれだけ落とせるか、というところがこのタイヤに求められる一番の性能だと考えました。

 

Q.ニーズの変化によって競合のタイヤもブラッシュアップされている中で、その競合に対して差別化できるところはありますか?

転がり抵抗値とグリップ力というのは割と相反する性能で、片方を良くすれば他方が悪くなるというのが定説なんです。そこをどちらも高いレベルを維持したタイヤを創りたいということで、それが「AGILEST<アジリスト>」は実現できたと思っています。ここに関しては他社さんとの差別化も図れたんじゃないでしょうか。

 

Q.なぜ実現できたのでしょうか?

技術課の開発担当が、新しい素材と新しい構造をもう一度考え直して創り上げた。その努力の結晶なのかなと思っています。

 

Q.素材と構造を選び直すというのは、かなり抜本的な話ですよね?

抜本的な開発になりましたね。構造で申し上げると前作のRACEシリーズは、少しトレッドのセンター部が尖っている、そういった形状を採用していてそれが特徴でもあったんですけど、そこを見直したのでこれはかなり大胆な、思い切った決断だったかなと思っています。

 

 

Q.「Panaracer Ratio<パナレーサーレシオ>」について

黄金比といいますか、すべてにバランスのとれたタイヤというものを目指して開発を進めて、まさにその「Panaracer Ratio<パナレーサーレシオ>」として、転がり抵抗値、グリップ力、耐パンク性能、この3つのタイヤの性能がすべてバランス良く配置されているのが今回の「AGILEST<アジリスト>」ではないかなと考えています。
どの性能も落とさずにこれまでの弱点を補強するといいますか、伸ばしていく、それを形にすることができました。

 

Q.今回の開発において、高橋さんの立場から見て苦労した点は?

苦労の連続でしたね。求めている性能を実現しようと思っていろいろ試行錯誤をしたんですけれども、これでいけば大丈夫だろうと考えた素材や構造で試作しても、実際の走行テストで良くない結果が出ることもあり、何度も何度もやり直しをしました。
そうして試作してはテストする、その繰り返しを重ねるなかで、かなりいい結果が返ってきたんですね。そこで「いけるかもしれない!」という手応えを感じましたし、我々が目指しているゴールにたどり着けるんじゃないかなという感触はありました。

 

Q.逆に開発する上で一番楽しかったり、喜びを覚えたことは何ですか?

仕上がった試作品を実際に我々がサポートしている選手に試していただいたり、あるいは社内の人間で実走して試したんですけれども、その結果が非常に良くて、我々が狙っている性能が出ていたとわかった時はすごく嬉しかったですね。
これまでの苦労が報われた瞬間でした。

 

Q.いろいろな経緯があって完成までこぎつけるなかで、最初の開発コンセプトからちょっとずつ課題が出て変わったところもあるとは思うんですけど、今の仕上がりをどう感じますか?

開発コンセプト自体はぶれていなくて、試行錯誤する中でいくつかのパターンが変わってしまったりということはありました。
ただ、たどり着く場所としては同じなので成功だったなと思っています。今は我々が目指したタイヤに仕上がったんだという感触を得ていますね。

 

Q.デザインはどうですか?

そうですね、今回パッケージや商品ロゴを大胆に新しいものに変えました。これまでとまったく違うパナレーサーのイメージを作っていくためにどういったデザインがいいのかを社内で協議しましたし、実際に仕上がったデザインを見たときはワクワクしました。これが世に出るんだと思うとうれしかったですね。
特にアジリスト(ロゴ)のEの部分、これがまさに弊社が目指すバランスの取れた性能を表していて、こういった商品ロゴの中に性能を表すようなデザインが施されているものってたぶん初めてだと思うので、このEの部分が気に入っています。

 

Q.これまでのタイヤから結構変えるというところが出発だったと思いますけど、実際の違いについてはどうですか?

これまでのRACEシリーズと比べるとまったく違う乗り味を楽しめるタイヤに仕上がっています。なのでこれまでパナレーサーをお使いになっていた方も、使って何かちょっと感触が自分と合わないなと思っていらっしゃる方にもぜひ使っていただきたいですね。
乗ればすぐに分かるでしょうし、新しい乗り味が楽しめるタイヤになっていると思います。

 

Q.「乗ればすぐに分かる」とのことですが、直感的にどう感じられるのでしょうか?

まず扱いやすいタイヤになったんじゃないかなと思っています。これまでのRACEシリーズはそうではなかったと思うんですよ。
今回はタイヤの形状だったり各素材を見直すことによって、どんな方にも使いやすいタイヤになっていると思いますし、その性能も含めて速く走りたい人でも長距離を走りたいと思っている人でも、どんな方が使われても非常に扱いやすくて乗り心地が良いタイヤに仕上がっているなと思っています。

 

Q.パナレーサーとしては新しい黄金比が生まれたということですか?

そう思っています。タイヤの性能も黄金比があって、その黄金比に近づけようと努力した結果、「AGILEST<アジリスト>」が生まれているんです。
いろいろなシチュエーションで自転車に乗られるどの方にとってもこのタイヤはいいタイヤになっている、という意味では黄金比に合致するタイヤになっているのではないかなと思っています。

 

Q.最後に、どんな方に使ってもらいたいですか?

まだパナレーサーを使ったことがない方、またこれまでパナレーサーを使ってみて合わなかったと思う方にはぜひ使っていただきたいですね。
これまでのRACEシリーズとはまったく違う乗り味が楽しめるタイヤになっていることは間違いないと思いますし、たぶん使っていただくと「あ!これパナレーサーのタイヤなんだな!」と思われる方も結構たくさんいらっしゃると思うんですね。なのでまったく新しいパナレーサーのレーシングタイヤを試していただきたいと思います。

乗れば、
分かります!

 

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