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2025.01.21

タイで本格Gravelレースを体験、DUSTMANチェンライ参戦記

タイのチェンライで2024年1123日に開催された「DUSTMAN Chiang Rai」に、マーケティンググループの三上が参加したのでレポートをお届けします。

DUSTMAN」はタイで行われているグラベルレースシリーズで、タイ国内で毎年数レース開催されています。2025年からは「DUSTMAN Kanchanaburi」がUCIグラベルワールドシリーズに加わることが決定しています。パナレーサーも2025UCIグラベルワールドシリーズのオフィシャルパートナーとなったため、どのようなレースなのか視察を目的として今回参加することになりました。

まず行き方ですが、最寄りの関西国際空港からチェンライまで直行便はないため、バンコクで一度乗り換える必要があります。

今回は1つの航空会社で繋ぐことができたため、スーツケースも自転車も楽に輸送でき思ったよりもスムーズでした。

およそ9時間のフライトの後、チェンライに到着しました。

チェンライはタイの北部にあり、ミャンマーとラオスの国境近くに位置しています。

(チェンマイとチェンライは隣接しているためよく間違えます。)

チェンライは約1.2万平方キロメートルと、秋田県と同じぐらいの面積で、人口は120万人規模、市街地に高いビルは無く、寺院や古い建物が並んでいるのんびりとした地域です。またこの時期は乾期のため最高気温が35℃にもなりますが、湿気がなく日本の夏に比べると過ごしやすいです。

チェンライ国際空港に降り立ったあとはタクシーでホテルへ向かいます。ホテルでパナレーサーのタイ代理店メンバー達と合流し、この日はご飯を食べて休みました。テラス席での食事でしたが快適で、晩秋の日本との温度差に驚きます。

レース前日の金曜日、朝ごはんを食べに行くため、自転車を組み立てることから始まります。

自転車にトラブルが無いかをチェックしつつ、チェンライの街を走ります。タイは日本と同じで左側通行なため、そこまで違和感はありません。

左のバイク乗りも自転車好き

チェンライの街で有名な金時計

赤信号でも左折が可能だったり、信号で停車時には車より前に行けたりするので慣れが必要ですが。

この辺りで有名というお店で、お粥とカオソーイという米を使った麺料理をいただきます。お粥は優しい味で香草や醤油などで自分好みにアレンジするのがスタイルだそうです。カオソーイは少しカレーの匂いもしており食べやすい物でした。

お粥が有名なお店

おススメをどんどん注文されて朝から沢山食べることに

その後は街を散策しながらコーヒーショップへ向かいます。こちらのオーナーも自転車乗りでグラベルキングを使ってくれていました。

ホテルに戻る道すがらいろんな所を通ってみます。

走りながら気づいたのですが、自転車ラインなどが太く引いてあるところもあり比較的安心して走れます。ただ少し街を外れると信号が少ないため大きな道路でもタイミングを見ながら渡る必要があります。

また、日本から移住している人も多いらしく所々に日本語を見かけました。(時々変な単語も見ますが、、、)

チェンライで走っている車は日本車がとても多かった印象です。

ホテルに戻り一息ついてからレースの受付に向かいます。レースと提携しているホテルがあり、そこが受付とレース後のアフターパーティー会場になっています。

受付後は街の食堂へ向かいました。英語の表記も無くどんな料理かは説明が難しいのですが、どれも白米に合う料理で食べやすかったです。

いろんな料理が並ぶ

白米に合う濃い味の料理

夜でもお客さんが多かった

お腹を満たすと翌日は5時集合のため早めに就寝しました。

レース当日、準備を整えスタート/ゴール会場となるメーファールアン芸術文化公園へ向かいます。準備をしていると地元民からヤードムという嗅ぎ薬をもらいました。こちらも言葉に表し難い匂いなのですが、嗅ぐとスッキリとして目が覚めます。気になる方はぜひ試してみてください。

今回のレースでは序盤の舗装路と途中の一番険しい舗装登りが大事だと思い、フロント:GRAVELKING X1とリア:GRAVELKING SSの組み合わせをチョイスしてみました。幅はどちらも700×40Cです。

私が参加したのはロングコースで約100km獲得標高1200mです。コースはこのような形で、点線部がグラベルの区間です。

欧米からも多くの選手が来ており、プロのグラベルライダーも見受けられました。

そしていよいよレースが始まります。スタートラインにはおよそ100人程度の選手が並んでいました。おそらく日本人は一人だけなので、みっともない走りはできないと感じ、いつになく緊張してしまいます

スタートするとすぐにグラベルが始まります。

コースには街中のちょっとした細い道も含まれています。

こちらのグラベルは、小石というよりしまった砂がメインになっていました。そのため、集団が走り抜けると砂ぼこりが舞い上がります。朝日と相まって幻想的な光景でしたが、スタート直後から先頭を固めるレース勢が集団を牽引しており、こちらはついていくだけで必死でした。

レース開始から30分ほど経ったところでついていけなくなり、先頭集団を見送りました。この時点で先頭は10名ほどで後ろはまばらになっていました。ここまでは必死で写真を撮る余裕はありませんでした。

ここからはペースの合う人を見つけながら田んぼや山の中を駆け抜けていきます。

オレンジのジャージの選手と後ろの女性ライダーとは終始近いペースで走ってた。

やっと周りを見る余裕が出てきましたが、こちらのグラベルは日本と違い凹みが大きくライン取りに気を遣う箇所が多いと感じました。

また所々で急勾配の登り下りが現れるため、タイヤの縦グリップが欲しくなる場面が多かったです。約20kmおきに設置されているエイドステーションでチェックのシールをもらいつつ、たくさんの集落を抜けていきます。

現地ではほとんど英語が通じることが無く、なかなかコミュニケーションに苦労するのですが、どの人も温かく応援してくれていました。

道中では動物を見ることが多く、特に柵もなく象がいた時はびっくりしました。

近くの河で象に乗ってのツアーを楽しめるそう

他には牛や羊、豚、ダチョウなど。

飼い犬なのか野犬なのかわからないのがいたるところにいて、おっかなびっくり横を走り抜けます。

途中15%看板がある登りですが、実際は明らかにそれ以上の斜度があり苦労する登りと下りがありました。必死に走っていると残りも少なくなってきます。

湖畔沿いに新しく植林された森の中のグラベルは非常に幻想的で癒されました。

この区間を抜けるとチェンライの街に戻ってきます。気温も高くなってくる中、残りの力を振り絞りながらなんとか4時間18分でゴールしました。

ゴール後にチームの皆と完走を称え合った後は、ホテルに戻ってシャワーを浴びて休みました。

この時点でまだお昼過ぎとのんびりできるタイムスケジュールとなっており快適でした。

涼しくなってからはアフターパーティーへ参加します。ちなみにこのパーティーは参加費に含まれており、100kmのカテゴリーで1,850バーツ(約8,500円)となっています。

パーティーを楽しみながら各年代の表彰式も行われます。私の年代では速い選手は3時間30分台だったようです。(この方が全体でも最速でした。)終始ゆっくりとした楽しい雰囲気で皆完走を称え合っている様子が印象的でした。夜も更けパーティーもお開きになると、どうやら一緒にきたメンバーは締めにお粥を食べに行くと言います。便乗させてもらい連れて来られたのがこちらでした。

明らかにお粥ではなく、ガッツリとした料理が並びます。聞けばこういったお店は夜中の2時までやっておりお酒を飲んだ後にも来る人は多いとか。しっかり現地料理を味わい満腹になるとすぐに寝落ちしてしまいました。

最終日は移動と片付けがメインです。お酒と満腹感を感じながらのんびりと片付け、その後空港まで移動しました。

帰りも行きと同じ航路のため、チェンライ空港で手荷物を預けた後は非常に楽です。バンコクからは深夜便のため寝るタイミングが難しかったりしましたが無事大阪に着くことができました。(着いた瞬間に気温差に驚きました。)

今回は現地の協力スタッフもいたため非常に楽しくレースに参戦できました。

またタイでは道路のレース使用も難しくないようで運営もスムーズでした。

日本では中々ハードルが高いかもしれませんがいつかはグラベルレースを実現させたいですね。

来年のダストマンでは日本からの参加者も行きやすいように調整していきたいです。

2025年からパナレーサーは23ヵ国で開催されるUCIグラベルワールドシリーズを本格的にサポートしますので、他地域の情報もお届けしていきます。お楽しみに!