世界最大と言われるグラベルレース「Unbound Gravel 2022」が6月2~4日に行われ、当社は初出展しました。
舞台となるのはアメリカのカンザス州エンポリア。カンザス州はアメリカの古き西部の民族伝承が豊かな地域であり、バイソンの狩りをしていた遊牧民の本拠地でした。
コロナ禍で海外出張ができない中、久しぶりに現地でのイベントに参加してきました。
アメリカ出身の私ですがアメリカへ行くのは7年ぶりです。
成田から飛行機で移動すること11時間、中継地のシカゴに到着しました。
夕方に到着したため、入国を済ましせすぐさまレンタカーを手配し車で359km走り、中継地点のスプリングフィールドへ。
レンタカーはアメリカでは一般的なクライスラーです 。
初の左ハンドル、右車線にドキドキしながらアメリカの大地を走ります。
頭の中ではずっと “ Drive on the right side” (right =右 / 正しい)と唱えていました。
無事ホテルに到着し、チェックイン。
ニセコ組に負けずにグルメ投稿!!
どんっ!!
左は、The horseshoe(馬蹄)と呼ばれる、
イリノイ州スプリングフィールド発祥のオープンサンドイッチ。
厚切りのトースト、ハンバーガーパティなどの肉、フレンチフライ、チーズソースと。。。つまりカロリーの塊になります。
これを消費しきるには何キロのライドを組まないといけないか… まずオープンサンドウィッチとは??
と様々な感情が入り混じりながら実食。
移動の疲れもあってか、めちゃくちゃ美味しい!!
出張にも身が入ります。
余談ですが、イリノイ州スプリングフィールドはアメリカ第16代大統領エイブラハム・リンカーンが出馬し今も埋葬されている地であり、
当時の大統領もこれを食べたのだろうかと思いにふけっていました。
いよいよUnbound Gravel EXPOがスタート。
早朝からブース設営を開始、快晴で雲一つない青空の下での設営は非常に気持ちがいいものです。
そして、生まれ変わった鮮やかなパナレーサーパープルがカンザス州の青空に映えます。
ブースには多くのライダー、サイクリストの方に足を運んでいただきました。
様々な質問をいただき、これから走られるライダーの方とタイヤサイズやモデル、空気圧設定などをPanaracerサポートライダーと一緒にUnbound攻略作戦会議も行うこともしばしば。
ここで会場で見かけたバイクのチェックをしていきましょう。
日本で見ることのできるバイクもあれば、そうでない物もあり、多くのメーカーのバイクにGravelkingが装着されていました。
トレンドとしては、タイヤ幅が急速に広がっている印象を受けました。
また、グラベルライドがより過酷な路面でも力を発揮する性能が求められているなど、新たな商品企画の参考になる、多くの検討材料が得られました。
また、ブースにはPanaracerサポートライダーの方々にもお越しいただきました!
Nick Locandro
オーストラリアを拠点としているNickですが、今年からはレースの拠点をアメリカに据え本格的な活動を開始しています。
コース試走を終えた後お話する時間をいただきました。
本人としては2度目のアンバウンド参加となります。
彼はGravelKing SK Plusの700x×43C(海外限定サイズ)をチョイスしていました。
走行テストを行っていくなかで38Cと迷いましたが今回はエアボリュームを優先したそうです。
転がり抵抗、グリップ力、耐パンク性能を高いレベルで実現しているので信頼のおけるセットアップだと言ってくれました。
イザベルはカリフォルニアを拠点とするライダーで、カリフォルニアオレンジが似合う爽やかなカリフォルニアガールです。
サイクリングキャリアの中ではUnbound参加は2度目となります。
写真では今年のGravelking 2022リミテッドエディションのジンジャーですが、レース本番のセットアップは前後ともGravelKing SK Plusを採用し、
フロントは700×43C(海外限定サイズ)、リアは700×38Cと異なるサイズをチョイスしています。
フロント43Cはコース上の石などにあたった際エアボリュームを増やすことでハンドリング向上とリム打ちパンクを警戒し今回のセットアップとなりました。
今年のカラーGravelking 2022の特集ページはこちらをご確認ください。
そしてもちろん、Panaracerのグラベルを語るうえでは欠かせません。
竹下佳映さんです!
竹下さんは今回5回目の参加とのことでUnboundのコースが毎年の変化や、初参戦の思い出など様々なことを語っていただきました。
インタビューは弊社YouTubeページにも上がっておりますので是非ご覧ください。
当日は雨予報であったためトレッドの目詰まりを警戒し泥捌けの良いGravelKing SS Plus 700×43C(海外限定モデル)を選択されました。
また、コース上に散在するフリント(火打石)についてもお話いただきました。
元々先住民のインディアンが槍の先に取り付けて道具として使用していたシャープな石のため、下り区間において、鋭利な石がタイヤのサイドをスライスすることが多く最も過酷な路面と言われています。
ということで実際にコースの検証をしていきましょう。
カンザス州の地質図と200マイルレースのコースを照らし合わせると、石灰岩、砂岩、頁岩などからなるフリントヒルズと言われるエリアにコースを設定していることが分かります。
出展:“Kansas Geological Survey” | 出展:“200 REROUTE – Garmin Unbound Gravel 2022”, |
ここで厄介なのがフリントと呼ばれる鋭利な火打石で、そのためタイヤにのサイドカットに起因するパンクの原因になると考えられます。
実際に現地で拾い上げた石の写真も撮りました。
2日間のパビリオンEXPOが終了し、いよいよ4,000人近くの参加者によるUnbound Gravel のレースがスタートします。
コースは25マイル(約40km)、50マイル(約80km)、100マイル(約160km)、200マイル(約320km)、XL(約563km)があり、様々なライダーが参画できるレースです。
世界42か国から集まったトッププロからホビーライダーまで、年齢も10~89歳と幅広い参加者がそれぞれの目標でスタートします。
100マイルレースには、なんとワールドツアー選手もスタートラインに並びます。
200マイルのスタートはAM 6:00
5:00過ぎにはギャラリーを含め大勢の方で大盛況。
スタートの様子はInstagramにてライブ中継を行いました。
投稿に残していますのでご覧ください。
やはりレースのスタートは迫力がすごいです。
出走者を見送った後、少し時間をあけて実際のコースの視察へ出発しました。
どこまでも続くグラベルは地平線の先まで続きます。
この雄大さの中、無我夢中で駆け抜けることはどれだけ気持ちがよいことでしょうか。
自転車を持参すればよかったと後悔しました。
また、予報通りパラパラと雨が降り出し、細かい砂が固まり砂利が浮いてきていることも確認し雨雲通過前と後での比較が分かりやすいです。
なんと、この区間では高速道路を横切る区間があり、現地有志による交通整理が行われており、私たちもお手伝いさせていただきました。
街をあげてこのイベントを応援していることが覗えます。
またもっとも長いXL部門(536km)では6/3の15時にスタートし、サポートなしで夜通しライドを行い走り切らねばならない過酷さです。
この部門の優勝者のタイムは20時間17分で平均時速27.7km/h、女性部門では22時間25分で平均時速25km/hと、過酷な条件の中でも、見事なタイムです。
中継ポイントでは夜通し走られたライダーが、人種や文化背景を超えて協力しながら突き進む様子を見て心を打たれます。
来年は弊社からも挑戦する果敢なライダーも出てくるかも?
これからも目が離せないイベントです。