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2023.06.21協賛・サポート関係

社員が出場、アンバウンドグラベル(UNBOUND GRAVEL) 2023参戦レポート

今回は63日(土)に米国カンザス州エンポリアで開催された世界最大のグラベルレース「UNBOUND GRAVEL 2023」のレポートをお届けします。
当社がこのイベントに出展するのは昨年に続き2回目ですが、今年は初めて当社の社員3人が200MILE(約330km)に出場しました。
実際に本場のグラベルを走ることでタイヤとグラベルの状態を確認し、今後の研究開発に役立てることを目的としています。

私たちは伊丹空港から飛行機に乗り、羽田、デトロイトを経由し、合計16時間以上のフライトを経て、カンザスシティ国際空港にようやく到着。
そして翌日にレンタカー2台でエンポリアへと移動しました。

右側通行の道路や広大な平原を目にしたり、ボリューム満点のバーベキューを食べたりすることでアメリカに来たことを実感しました。

エンポリアにはホテルが少なく、大会期間中の宿泊場所確保は大きな問題です。幸い我々は、大会近くの一軒家を借りることができ、ここを宿舎としました。 

宿舎の周りには飲食店などは少ないので、基本は自炊となります。米や蕎麦などの食料は日本から事前に発送し、野菜などは現地で調達して料理をしました。
宿舎で食べた料理をお見せしましょう!

写真以外にもカレー、蕎麦、チャーハンなどなどたくさん食べましたが、これらの美味しそうな料理を作ったのはなんと当社の社長です
ごちそうさまでした。
 

また、私たちと同じように日本からレースに参加するライダーをこの宿舎に招いて食事をしたり、タイヤ交換のサポートをしたりしました。 
事前に行くことを告知していたおかげか、毎日のように誰かしらがこの宿舎を訪ねて来られました。 

レースに向けて機材の最終確認をしたところ・・・飛行機輪行で1台の自転車のフロントフォークが破損していました。 

こういった事があるとは聞いていましたが、まさか自分たちがトラブルに巻き込まれるとは思いませんでした。 
他の方でもロストバゲージが起こったとも聞いたのでトラブル時の対応力が試されます。 
その後、幸いにも現地の自転車店の協力を得て、レース前日に代わりの機材をお借りすることができました。 
(日本でお付き合いいただいている各所からも、助けをお申し出いただきました。ありがとうございました。) 

6月1日(木)と2日(金)には、The All Things Gravel Expoが開催されました。 
世界中からグラベルに関係する121ブランドが集まり、最新の機材が展示されていました。 
当社もブース出展し、限定カラーのグラベルキングなどの展示や販売をしました。
ブースにも沢山の人が訪れて終始賑わっていました! 

また、6月2日には当社がサポートする Isabel KingとのShake Out Ride(親睦ライド)が行われました。
約1週間という短い募集期間
だったにも関わらず
100名近くのライダーが集まってIsabelとのライドを楽しみました 

会場とShake Out Rideの楽しそうな現地の様子をご覧ください。 

6月3日はいよいよレース当日です。 
ここで、UNBOUND GRAVEL 2023について、説明しましょう。 
レースには25、50、100、200、350MILEのカテゴリーがあり、私たちが参加する200MILEは距離330km、制限時間が21時間です。
コースの9
5%(313km)が未舗装路という、日本ではちょっと考えられないスケールのコースです。
さらにエントリー者は4,000人以上と世界最大のグラベルレースとなっています。
 
コース上には、水分補給ができるオアシスと、サポートを受けられるチェックポイントがそれぞれ2か所ありますが、それ以外にサポートを受けられる場所はありません。 

朝6時、朝日とともに200MILEのカテゴリーがスタートすると、さっそくグラベル区間が始まりました。最初は細かい砂利道を楽しく軽快に走っていましたが、すぐに路面状況が一変します。

路面が粘土質の泥へと変わりました。この泥が非常に厄介で、タイヤとフレームの間に詰まって、ホイールが回らなくなってしまいました
仕方なく泥がまとわりつかない草の上を、自転車を押して歩きました。この地獄のような行軍が5
km近く続きました。 

やっとのことで泥区間を突破した後は、炎天下の中でアップダウンが続きます。 
路面は荒れた部分があり、慎重なバイクコントロールが求められる場面もありました。 
63km地点のオアシスと呼ばれる給水地点でドリンクを補充しましたが、次の125km地点にあるチェックポイント1にたどり着くまでになくなっていました。 
また、この暑さによって、社員1人がリタイアとなってしまいました。 

休憩と補給をおこなってチェックポイント1を出発すると、目の前には黒々とした怪しい雲が見えほどなくして大粒の雨が降り始めました。
路面はぬかるみ、自転車も体も泥だらけです。
 

2つ目のオアシスに到着すると、ここではドリンクとともに、ハンバーガーを提供していました。体が冷え始めていたので、温かい食べ物の提供はたいへんありがたいです。

200㎞地点にあるオアシスを出たのが21時過ぎ、日没を迎えました。 
こんな大草原の中に街灯があるわけもなく、ここから頼りになるのはフロントライトと月明かりだけです。 

23時前に270㎞地点にあるチェックポイント2に到着し、最後の補給を済ませました。 
疲労が蓄積し、ペダルを回す脚が重くなってきましたが、私たちと同じようにゴールを目指す参加者の存在に勇気づけられました。 

チェックポイント2を出ると、またしても泥区間が登場し、押し歩きを強いられる場面もありましたが、制限時間に間に合うように黙々と脚を動かしました。 

街の外れに架かる古い橋を渡ると、ようやく街の明かりが見えてきました。 
宿舎で夜寝る際に悩まされていた鉄道の警笛が聞こえたり、路面が舗装に変わったりしたことからも、ゴールが近いことを感じることができて、思わず笑みがこぼれました。 
朝6時にスタートした市街地に帰ってくると、夜遅くにも関わらず、スタッフが歓声を上げて迎えてくれました。 

そしてついにゴール!! 泥道あり、降雨あり、夜道ありの果てしないグラベルロードを20時間4分かけて走破できました。
完走後は、走りきれてほっとした気持ちを抱くとともに、20時間もかかってしまったことに悔しさを感じました。
来年も挑戦できるなら今度は日付けが変わる前にゴールしたいです。
 

今回、レースを走ってみて、アメリカの人々にとって、グラベルというものが身近なものであると強く感じました。
またコース内には様々な路面状況があり、それに対応するタイヤを開発することの重要性を改めて感じました。
 

なお、レース中は嬉しいことに当社のタイヤを装着している人を何人も見かけましたし、パナレーサーのロゴが目立つジャージを着ていたおかげか多くの参加者から声をかけてもらえました。 
今回の経験を糧に、グラベルタイヤの研究開発により一層力を入れて取り組んでいきます。そして、これからもライダーの皆さんがグラベルで使ってみたいと思うようなタイヤを作っていきます。 

 最後になりましたが、今回のレースを完走できたのは、多くの方々のサポートがあったおかげです。この場を借りて感謝申し上げます。 

パナレーサー-青木
・バイク 
   キャノンデール/トップストーン(輸送中のトラブルで使用できず) ⇒トレック/ブーン9 

・タイヤ 
    グラベルキング(プロトタイプ) 

・ジャージ 
     パールイズミ/イーガージャージ 

・体重
     58kg 

・空気圧 
    200kPa