昨年に引き続き弊社がタイトルスポンサーとなるニセコグラベル。
おかげさまで春と秋の年2回の開催もすっかりおなじみになりましたが、今回は先日開催された秋の部の模様をお届けいたします。
仕事と分かっていながらも大会がやってくるその日を心待ちにしていました。
大会前日の9月22日(金)
兵庫県の丹波本社と大阪営業所からそれぞれ参加するスタッフは伊丹空港に集合。去年に引き続きの飛行機輪行ですが、今年はアンバウンドグラベルの為に用意した3台のキャスタータイヤ付の輪行袋が大活躍。
一見すると持ち運びに苦労しそうなルックスではありますが、前後共にキャスタータイヤ付きで自立もするので空港内での取り回しは楽々。自転車の分解も最小限で済み、また空いたスペースに自転車以外のヘルメットやシューズ、工具が入れられるなど非常に重宝しました。ただし調子に乗ってアレもコレもといれてしまうと手荷物測定で重量超過…といったリスクもあるので注意が必要です。
新千歳空港に到着した頃には大きく日も傾いていて日没も間近といったところ。が、この日のためにお腹を空かせてきた私達はレンタカーを借りるとそそくさといつもの回転寿司店へと直行です。「北海道についたら寿司」は今や我々にとってニセコを目指すうえで欠かす事の出来ないルーティーンの一つ。少々遅いランチではありましたが、心ゆくまで満喫しました。北海道は回る寿司でもレベルが高く侮れません。
海の幸に山の幸にと初日から情け容赦の無い波状攻撃。これぞまさに試される大地(天国)といったところでしょうか?(たまの贅沢です。平素は質素倹約に努めております…。)
さあ、翌日からは仕事モード全開です!イベント初日の23日(土)は、弊社をはじめとした自転車関連メーカーやアウトドアブランドに加えて、ローカルフードを提供する飲食店ブースなどが出展するニセコグラベルフェスティバル2023が開催されました。
当日の弊社ブースではイベントに合わせて作ったプルオーバーや、クージーなどのグッズや、会場特別価格のグラベルキングの限定カラーを出した事もあってか、多くのお客様に足を止めていただきました。単体で見ると少し色味が強い今年の限定カラーですが、昨今のグラベルバイクでトレンドとなっているアースカラーやブラック主体のシックなカラーリングのフレームとの相性は良好。
会場内でも使用している方を多くお見かけしましたが、愛車のイメージチェンジやワンポイントの差し色にと、思い思いのコーディネートを楽しまれている様子が印象的でした。
また今年初めての試みとして、世界を股にかけるグラベルライダーの竹下佳映(以下KAEさん)と一緒に走るシェイクアウト(親睦)ライドが開催されました。本大会とは別に用意されたニセコグラベルの裏メニューはお陰様で好評をいただき、早々に定員が埋まる程の盛況ぶり。参加された皆さんは青空の下、世界のKAEさんと共にグラベルライドを楽しまれていた様です。
朝から雲一つない青空が広がり絶好のグラベルライド日和になりました。私が参加したのは60kmを走るミドルコースです。先にスタートするEXロングコースとロングコースの皆様を見送って、いよいよ8時にスタート。スタート前には旅サイクリストとして有名で神出鬼没な神楽坂つむりさんからミドルコースを走る仲間達へ向けての激励のメッセージもあり、つむりさんの大ファンでもある私は感激もひとしお。スタート前から今日は良い一日になると確信しました。
コースをスタートしてしばらく続く舗装路区間をこなすと、程なくして最初のグラベル区間に突入です。初めてのグラベルという事で多少身構えてはいたものの、走り始めてみるとアップダウンも少なく路面の状況も比較的良好とあって、気がついたら夢中になって良質のグラベルロードと戯れておりました。またコース途中には眺望の良い開けた区間もあり、澄み切った青空にどこまでも真っ直ぐに伸びるグラベルの一本道との組合せは、まるで絵に描いたような美しさ。走ってももちろん気分爽快でした。
もちろん仕事としての参加ですので、今回のニセコグラベルでは各コースに二人ずつ弊社スタッフがサポートとして走っていました。私と社員Nは最後尾からミドルコースの参加者の方達をバックアップ。途中パンクをされた方には持参したタイヤとチューブ、そしてコンパクトフロアポンプでサポートをさせていただきました。余談にはなりますが、そのパンク修理の様子がいつの間にか某SNSに上がっていて(つむりさん、その節はありがとうございました!)、同僚はもとより家族や友人からも反響があったのも今となっては良い思い出です。いやはやSNSってホント怖いですね(笑)
パンクしても楽しい。そうニセコグラベルなら。#nisekogravel #ニセコグラベル pic.twitter.com/1sSiA4a7Id
— 神楽坂つむり (@tsumuri_f5) September 24, 2023
グラベルロードと同じぐらい…いや、ひょっとするとそれ以上に楽しみにしていたのが各エイドステーションで振る舞われるご当地グルメです。ミドルコースは他のコースと比べて1つエイドステーションは少ない(3/4箇所)ものの、ご当地蘭越産メロンに仁木産ぶどうといった珠玉のデザート達や、地元農家さんお手製の大きなおにぎり弁当に倶知安の銘菓じゃが太くんなどなど、あまりの充実ぶりにこれはグラベルライドでなくグルメライドではないかと思った程。どれも美味しかったです、ごちそうさまでした!
順調にグラベルをこなしてコースも残すところわずか。スタート/ゴールであるスキー場までは上り区間が多く我慢の時間帯も増えますが、参加者の方と励まし合って一緒に登っていると辛いはずのヒルクライムもいつのまにか笑顔と笑い溢れる楽しい時間に。上り切ったところではひょっこりと顔を出した蝦夷富士こと羊蹄山の絶景が疲れた体を奮い立たせてくれました。
迎えた最後のグラベル区間。行きで一度走ってはいたものの、上りとなる区間がカットされていたためか更に走りやすくなっており、まるでグラベルの楽しさと気持ち良さだけを抽出して濃縮したかのような素晴らしさとでも言えば良いでしょうか。走るもの全てを笑顔にしてくれます。
コースもいよいよ終盤。ペダルを回す足が重いのは疲れだけでなくて、道中で経験した素晴らしい出来事の数々が後ろ髪を引くにしように、ペダルを踏むのを邪魔していたのかもしれません。そのまま踵を返してグラベルロードへと戻りたいという衝動を抑えつつ、ラストは会場となるスキー場までのヒルクライム!
晴れてゴールゲートをくぐった私達を迎えてくれたのはアイヌの民族衣装をまとった方が奏でるトンコリの優しい音色でした。風に乗って会場を満たしたアイヌの唄は、疲れたカラダとココロに沁み入る様でゴール後のチルアウトタイムにピッタリ。とても素敵な演出だったと思います。
こうして私の初めてのニセコグラベルは幕を下ろしました。当初は60kmという距離は短過ぎるのでは?と思っていた節がありましたが、走り終えた今はグラベルの魅力である自由でおおらかな雰囲気を最もわかりやすく体現していたのがミドルコースだったと感じております。そしてそれを端的に表していたのが参加者の方達のバイクで、グラベルバイクは元よりMTBやファットバイクにE-BIKE、果てはレンタサイクルでと色とりどり、多種多様でした。もちろんそれぞれのバイクのオーナーのェアもサイクルジャージだけでなくラフなTシャツ一枚であったりと自由の一言。楽しみ方は十人十色、みんな違っていていい。何だかそんな今っぽさというものも感じられた気がします。
さあ次はこれを読んで興味を持って下さった皆さん、次はあなたの番です。来年は是非大好きなバイクと共に雄大な北の大地へとお越し下さい。一緒にグラベル天国ニセコを味わい尽くしましょう!
最後になりますが、今回使用した私(社員S)の機材を紹介します。
タイヤ : 前後ともにGravel King SK プロトタイプ (700C x 43)
空気圧 : 前後ともに200kPa(ライダー体重62kg)
バイク : Cannondale Topstone Carbon 3L(SM) ※当社社有車
フロントパニア : Ortlieb FORK-PACK(5.8L)
サドルバッグ : APIDURA EXPEDITION SADDLE PACK (14L)
ステムバッグ : rinproject マルチボトルホルダー
シートチューブバッグ : R250
ご参考までに、この日の空気圧は普段より少し高めの前後200kPaにしました。空荷であれば160〜180kPaぐらいがしっくり来ただろうと思います。舗装路と違ってグラベルでは空気圧を少し変えるだけで乗り心地やグリップ感が大きく変化するので、私も違和感があった際には立ち止まって空気圧を調整します。コツとしては最初は思いきって空気を抜く(入れる)事で、変化を感じ易くする事です。入り口はガバッと広げて当たりをつけ、その後はそろりそろりと慎重に詰めていけばきっと好みの空気圧が見つかるはずです。少しだけ面倒に感じるかもしれませんが、バルブをワンプシッシュするだけでも乗り味が大きく変化するのがグラベルライドの面白さ。そして何より空気はいくら使ってもタダ!是非試してみて下さい。
ちなみに当日私が使用したのはアンバウンドのトラブルから復活した当社社有車。一見するとミドルコースにはオーバースペックなバイクパッキングスタイルですが、実はこの中身には積めるだけのタイヤ(26〜43幅までのGKSK+各サイズ)とチューブを満タンに積載しておりました。もしまた次にイベントを走る機会がありましたら、少しでも皆様のお役に立てる様に走り回りたいと思います。
「パンク修理、喜んで!!」
Photo:Nobuhiko Tanabe & 社員S